「山鳴らし」と言う名に惹かれる。
名の通り堂々とした喬木で、幹が白みがかっているのも良い。山を通る風に揺すられて、山を鳴らす風情がある。ヤナギというと「枝垂れヤナギ」を連想するので、か細い感じを持つが、この堂々とした木もヤナギ科で、別名を「ハコヤナギ」という。ハコヤナギ属の木はPopulusの学名を持っており、並木などにも使われるカロリナポプラやイタリアポプラ(セイヨウハコヤナギ)は、それぞれ北米と中部ヨーロッパの原産である。
ヤマナラシを初めて見たのは、東京大学の駒場寮の寮食堂の横である。白い綿のような物が、ふわふわといっぱいに飛んでいるので、思わず見上げるとそこに巨木があった。3-4月に咲く花は赤味がかっているが、今頃になると、下垂した尾状花穂から白い綿毛を一面に飛ばす。駒場寮も、今は無くなった由である。寮食堂や駒場小劇場はどうなったのであろうか。
学名はPopulus sieboldiiで、ヤナギ科ハコヤナギ属である。sieboldiiは、あのシーボルト(Siebold、1796-1866)が日本から集めた物という意味である。
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下の写真は京都府立植物園で撮ったが、かなり大きかったこの木も幹が弱ったと見えて、伐採されてしまった。(2005年)
3月の雌花
雌花の拡大 綿毛の拡大
5月始めには、綿のような毛に包まれた種子が空を舞う