桑の実と言えば「赤トンボ」である。小学校唱歌で育った世代には、
夕焼小焼の赤とんぼ 負われて見たのは いつの日か
山の畑の桑の実を 小かごに摘んだはまぼろしか
の歌とともに夕暮れの情景が目に浮かぶことだろう。養蚕の盛んであった頃は、山の斜面などに一面の桑畑が見られたものだが、今は殆ど見ることがない。したがって、甘酸っぱい桑の実の味も忘れられつつある。
その桑の実は、6月に黒く熟して食べ頃となる。黒く熟した桑の実の写真を高橋さんから、送って頂いた。メールには「数日前、自転車で走っていたら偶然ある農家の庭で桑の大木を見つけました。携帯しか持っていなかったのですが、写真に収めました。.....鳥が枝に来る度に桑の実が落ちて、この間新聞で桑の実の効用を読んだばかりなのでもったいないなー、と思いましたが、さすがに頂くのは気が引けて、2つぶのみ拾って帰りました。もちろん、食べてみました、とても甘かったですよ。」とあった。時を同じくして、京都の ちゆきさん からは熟し始めた桑の実の写真が届いた。
木は雌雄異株で、ちょっと変わった花が4月に咲く。
学名はMorus bombycisで、クワ科クワ属である。bombycisは絹の意味。別名をクワ、あるいはササグワという。
黒く熟した桑の実-高橋さん撮影(東京都小平市で)
拡大するとまるで葡萄のよう。食べ頃の桑の実。
すっかり大きくなった桑の木
大分熟して赤くなってきた桑の実-ちゆきさん