パリの植物園で見たカナウツギがどうもおかしいので、その属名である「コゴメウツギ」を見たいと思っていたら、不思議なもので、たまたま行った東京白金の教育園で見ることが出来た。ここも私には懐かしい場所である。娘達と共に何度となく足を運んだ。東京に住んでいると、2-3ヶ月に一度は野山を歩かないと心が落ち着かない。忙しくてどうしても郊外に出られないときは、この教育園で心を慰めたものだ。白金自然教育園は山手線目黒駅の直ぐ東の都心にあって、武蔵野の名残を残す雑木林である。国立科学博物館に所属しており、210円で入ることが出来る。
互生している葉は、切れ込んで菊の葉を思わせる。5月に咲く白い花は、本当に小米のように小さく3-4mmである。しかしよく見るとなかなか可愛い。今年は、季節の過ぎるのが早く、もう殆どの花が駄目になっていて、雄しべの黄色い花を探すのに苦労した。日本全土の山地に生える。
学名はStephanandra incisaで、バラ科コゴメウツギ属である。incisaは鋭く深く切れ込むの意で、葉の形を指すのであろう。