「トチュウ」と言う名前を初めて聞くと、誰もが不思議に思って、記憶してしまう。名前の由来はよくわからないが、中国原産の落葉高木である。3月末に京都府立植物園の茶店の近くで見つけて蕾を写し、花を楽しみにしていたが、2週間おいて訪れたら、もうすっかり花の花粉が散っていた。花の寿命の短いのは桜ばかりではないようだ。トチュウは雌雄異株の木で、この木は雄の木であろう。花には花被がない。秋になると雌木には特徴的な袋状の実が目立つ。
トチュウは、木のどこを傷つけても「グッタペルカ」と呼ばれる白い粘性の樹液が出ることで良く知られている。昔は接着剤やゴムを得る目的に使ったがいまは使われない。また、「杜仲」として知られる漢方強壮剤は、この木の皮を干したものである。最近は杜仲茶も人気がある。
学名はEucommia ulmoidesで、トチュウ科トチュウ属である。
4月、もうすぐ開花
4月、花粉が散っている
4月の葉の展開
3月の蕾
樹皮-左は若い樹皮、右は老木でコルク質が発達している。下は壮年の木