植物図鑑で美しい放射状の花を見たときから、いつか実物を見たいと願い、探していた。数年前に市大理学部附属植物園でその木を見つけたが、時が遅く、美しい放射状の雄蘂は見られなかった。今回、タイミング良く植物園に行ったので、ようやく長年の希望を叶えることが出来た。嬉しくなって、その辺りを散策している人に、「素晴らしい花が咲いていますよ」と声をかけて見てもらったが、それほど感動した様子はなかった。思い入れとは面白いものである。
タニワタリノキは九州以南に分布する常緑の低木である。花期は8-9月で、枝先に一つずつ出る小さな球形の頭状花序に多数の花を付け、細長い花柱を突き出す。
学名は、Adina piluliferaで、アカネ科タニワタリノキ属である。大阪市大理学部附属植物園で写す。