久しぶりに理学部植物園の中を歩いた。すっかり緑が濃くなって、鬱蒼とした森に変わっている。植物の生育は速い。森を抜けた西側、基礎物理学研究所の裏に高さ3mほどのシャシャンボの木があり、一面に花が咲いていた。シャシャンボの花期は5-7月とあるから、この木はかなり晩生のようである。
スズランのような壺状の花が並んでいる。ちょうどアセビやドウダンツツジを思い起こさせる。そのはずで、アセビと同じツツジ科に属している。
シャシャンボは「小小ん坊」と書き、小さな実のことであろう。実は晩秋に紫色に熟し、甘酸っぱくて食用になる。
学名は、Vaccinium bracteatumで、ツツジ科スノキ属である。関東地方以南に分布する。