京都府立植物園の入り口右手と大芝生地の北に、大きなシリブカガシの木があり、9月に入って花が咲き始めた。花が咲き始めると、薄黄色だった花穂が黒ずんで余り綺麗でなくなるが、よく見ると、赤い小さな雄しべが放射状に出ている。こんな小さな花でも、蜜を求めてやって来る蜂でいっぱいである。
面白いのは、花とドングリの実が同居していることである。実の方は一年半ほどかけて成長するので、このような状況になる。昨年の花の実が今ようやく大きくなってきているのである。
実は、栗やマテバシイと同様に食用にすることが出来る。長さ20-25mmの広卵形であるが、帽子の部分がやや長く、底が凹んでいるので「シリブカガシ」と呼ばれるようになった。
学名は、Pasania glabraで、ブナ科マテバシイ属である。