梅本さんから、久しぶりに届いた嬉しい桜の便りである。それも、隅田川と永代橋の写真を添えて! 一時に懐かしさがこみ上げてきた。東京の越中島で過ごした9年間。子供達が小学校から高校まで生長した期間であった。子供達と、隅田川を行き交う船をよく眺めたものだ。浜離宮と浅草を結ぶ水上バスにも何度か乗った。恐竜の背中のような永代橋も懐かしい。この辺りの川沿いには、次々と遊歩道や遊園地が作られ、サクラを代表とする色々な木々が植えられた。その遊園地で遊んでいた子供達は、いま、東京で知り合った同級生と結婚している。年々歳々、花の季節が訪れ、人もまた歳を重ねていく。
以下は、梅本さんが付けて下さった解説です。
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和名 : 大寒桜(オオカンザクラ)
別名 : 安行寒桜
学名 : Cerasus × kanzakura ‘Oh-kanzakura’Ohwi<br>
栽培品種
3月上旬、東京の隅田川に架かる「永代橋」では、「大寒桜」が満開を迎えています。寒緋桜と、大島桜の交雑種とされる本種は、寒桜よりは遅いものの、比較的早く咲き誇る桜の種類です。道行く人々に、少し早い春の情景を感じさせてくれます。
撮影した場所である「永代橋」は、日本で始めて架けられた鉄橋なのですが、更にそれ以前には、あの赤穂浪士が吉良邸に討ち入った後、泉岳寺へ向かう際に渡った橋でもあるのです。この「大寒桜」の少し手前には、浪士たちが甘酒を飲んで休息した場所が御座います。橋に歴史あり、ですね。
この大寒桜には、「安行寒桜」の別名があります。これは埼玉県川口市安行に因んでの名前です。染井吉野の作出された「染井村」同様、「安行」でも数多くの品種が作られたそうです。桜にも歴史あり、ですね。
永代橋の近くを通られた際には是非、この桜に逢っていって下さればと存じます。(^ー^)
平成14年3月9日 隅田川・永代橋にて 撮影者:梅本浩史
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学名はCerasus × kanzakura ‘Oh-kanzakura’Ohwiで、バラ科サクラ属である。