高速道路などで山際を走ると、枝に冠のように白っぽい花を付けた喬木に出くわす。山に花のない7-8月に咲くので遠くからよく目立つ。近づいて見る花は淡緑色で目立たないのが不思議である。秋には紅紫色の実が木いっぱいに付く。5-15mになり枝には鋭い棘がある。
私は低木のカラスザンショウしか見ていなかったので、この木の同定に手間取った。東京の学研に勤めておられる小森さんから教えていただいた。小森さんは、バイクを使って、4ヶ月で500本の巨木を見て回るというバイタリティーの持ち主である。
写真は兵庫県の山中で写したものであるが、鎌倉の建長寺や、お茶の水駅の対岸にも見られる。
学名はFagara ailanthoidesで、ミカン科イヌザンショウ属の落葉高木である。
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毎年、花を写したいと思っていたのに、9年の歳月が経ってしまった。京都植物園の宿根草園の北西角の塀の外に大きな木が育っているが、なかなか花の盛りに出会わなかった。退職して京都植物園に自由に行けるようになってやっと写したが、やや盛りを過ぎているのが残念である。花も高いところにある上に小さいので、気を入れないとぶれてしまう。それでも、長年の思いがかなった幸福感を感じながら植物園を後にした。(2007.7.25)
京都府立植物園のカラスザンショウ(2007.7.25)