環太平洋国際化学会と言うものがあって、5年に一度ハワイで開かれる。これには、日本、アメリカ、中国、オーストラリアなど環太平洋の国々が参加し、1週間にわたって化学のあらゆる分野の討論が行われる。今年はその年である。前回、前々回と参加したが、その折りには必ずフォスター植物園を訪れることにしている。
そのフォスター植物園の巨木群の中にKapokと呼ばれる木がある。幹周り10m、樹高50mはあろうかと思われる巨木である。化学会がいつも12月に開かれるので、この時期にはほとんど葉を落としている。学名どおり、5葉の掌状の葉が特徴である。根は板根になることが多い。若い大枝には下の写真でも分かるように多くの棘が出る。淡黄色の沢山の花を付け、15cmほどのラグビーボール状の実を付ける。実の中は綿が詰まっておりその中に種子がある。綿は実用にも使われる。
我々がよくカポックと呼び慣わしている木は、常緑低木の観葉植物で、本名はシェフレラあるいはホンコンカポックと言う。確かに葉の形は似ているが、ウコギ科の木であり、バンヤ科のカポックとは全く別物である。
学名はCeiba pentandraで、バンヤ科(キワタ科)Ceiba属の落葉高木である。熱帯アメリカの原産。
カポックの葉
カポックの蕾