長い冬の間、赤い実が楽しめる木である。大きな葉は、茎が赤く、アカメガシワの葉に似ている。4ー5月、枝先に20-30cmの円錐花序をだす。秋の真っ赤な実が印象的である。12月、葉が全部落ちた後も、小粒のブドウのような赤い実が垂れ下がっている。不思議と鳥に食べられないようである。
京大理学部1号館の北東角に2本のイイギリの木が夫婦で立っていたが、今年の夏に台風で倒れるおそれがあるからと、雄木の方が伐られてしまった。今年の雌木は、それを悼むかのように、例年になく鮮やかな赤い実を付けている。
学名は、Idesia polycarpaで、イイギリ科イイギリ属である。
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東京のナカオカさんからイイギリの実について、素敵なお便りを頂きました。最下段の枠内をご覧下さい。(2001年5月)
12月のイイギリの実 11月、葉に包まれたイイギリの実
イイギリの幹と葉
都心の保存緑地に面した自宅の窓から、イイギリが見えます。
鳥も食べないまずい実(?)ということを、
私もどこかで読みました。
ところが、自然の摂理でしょうか、
どの木々の実も落ちて、冬も終わりという頃、
このイイギリの実に鳥が集まってきます。
おもにヒヨドリです。
年末頃でしょうか、
群れでやってきて、それぞれが
木の四方八方から襲いかかるように飛びつき、
1粒、1粒加えて呑み込みます。
今年は、年が明けてすぐ、
カラスの群れ、十羽くらいが一度に来て、
むさぼるように食べていました。
カラスの食べ方は雑で、
イイギリの実を、房ごとくちばしで食いちぎり、
いっぱい食べこぼしを落とします。
おかげで、残っていた実の房が、
一度の襲撃で数えるほどになってしまいました。
残りをヒヨドリがついばんで、
しばらくして実はすっかりなくなりました。
(東京のナカオカさんより。2001年5月)