ハンノキの種類も多い。ハンノキ、ケヤマハンノキ、ヤハズハンノキ、タニガワハンノキ、ミヤマハンノキ、カワラハンノキ、さらにミヤマカワラハンノキまである。分布地と葉の形あたりで見当を付けることになる。ハンノキとケヤマハンノキは日本全土に、サクラバハンノキ、カワラハンノキは本州中部以西、ヤハズハンノキ、タニガワハンノキ、ミヤマハンノキは中部以北に分布する。ミヤマカワラハンノキは福井以北の日本海側である。いずれの木の葉も葉脈がはっきりしていて鋸歯があるが、ミヤマハンノキ、タニガワハンノキ、ケヤマハンノキでは鋸歯が目立つ。ハンノキとサクラバハンノキは葉の形が長楕円形である。ヤハズハンノキとミヤマカワラハンノキでは葉先が平坦で凹になる場合もあり、ミヤマハンノキ、ヤハズハンノキ、ケヤマハンノキでは葉の基部が平坦または心形となる。ハンノキやカワラハンノキは湿地を好む。ミヤマハンノキの花期は5-7月であるが、よく似たタニガワハンノキは花期が3-4月であるので区別できる。
以上の情報から、写真のものは「ミヤマハンノキ」と同定される。立山と八方尾根で7月に撮影した。雄花が下垂し、小さめの雌花はその上部に付く。ミヤマハンノキは木の下部から枝分かれすることが多く、いかにも積雪の多い高山の木であることを思わせる。
学名はAlnus maximowicziiで、カバノキ科ハンノキ属の落葉低木である。白山以北の本州と北海道に分布する。
7月の花
早くも果穂になっているものもある。
葉は重鋸歯がよく目立つ。裏面の毛は脈腋に見られる。
立山弥陀ヶ原で写す。根元から分岐している。