ハイイヌツゲ(這犬黄楊)-(2002.8.18)

八幡平の大沼湿原を巡る遊歩道で、雨の中、ハイイヌツゲを見た。案内板には「湿原から森へ。最初にハイイヌツゲ、ハクサンシャクナゲなどが現れ、続いて、ミネカエデ、タムシバ、コシアブラなどに変わり、最後はブナ林へと移っていきます。」とあった。湿原が森へと育つ第一歩を踏み出す灌木である。
「ハイ..」と名の付く針葉樹は多い。ハイマツ、ハイイヌガヤ、ハイネズ、ハイビャクシンそして、ハイイヌツゲ。いずれも、風雪と戦って行くうちに、最も有利な「地を這う」形を獲得したのであろう。環境にめげず、それを克服して育っていく逞しさに感じ入ってしまう。ハイイヌツゲは、本州北部では高山の湿地帯に、中部では日本海側で見られる。イヌツゲと同じく6-7月に花を開くが、やや小さい。雌雄異株である。果実は秋に黒く熟す。
学名は、Ilex crenata var. paludosaで、モチノキ科モチノキ属である。

タイトルとURLをコピーしました