京大理学部植物園の池の後ろを歩いていると、真っ赤な花がパラパラと降ってきた。5mmほどの小さな花であるが、本当に雨のように降り注いで、木の下は真っ赤である。上を見上げると大木である。20m以上の高さに育っていて、ズームでも生の花を写すことが出来ない。仕方なく地上の花の写真を撮った。
この花はチャンチンモドキの花である。「モドキ」というからには、本物のチャンチンの木があるわけだが、この2つの木はともに葉の付き方が、羽状複葉・互生で、どちらも結構な大木に育つ。しかし、チャンチンが白い花を付けるのに対して、チャンチンモドキは真っ赤であるから、花期にははっきりと区別できる。また花期も、チャンチンが6月であるのに、モドキは5月である。さらに、チャンチンモドキは写真のようなウメに似た大きな実をボトボトとおとすが、チャンチンは蒴果をつける。
学名はChoerospondias axillarisで、ウルシ科チャンチンモドキ属である。北部九州以南の東南アジアに分布し、雌雄異株である。
実と分布については、daitiyanさんから適切なコメントを頂きました。分布の北限は福岡県宮田町「笠置山」の群生地であるとのご指摘でした。
花が殆ど散ってしまったが花序の形が解る
仕方なく、落下してきた雄花を写す(5mm程度)
梅のような実(1999.10.3)
葉と幹