京都市内で見逃したヤブデマリが、芦生ではそこここで咲いていた。花だけでなく、葉脈の深い葉もなかなか綺麗である。葉の広いものはヒロハヤブデマリ、小さいものにはコヤブデマリと呼ばれる種類がある。中間型もあって細かい分類は複雑である。
スイカズラ科とユキノシタ科は、似た花があってややこしい。「..ウツギ」と名の付く花は両方にある。アジサイはユキノシタ科であるが、同じように装飾花が発達したヤブデマリやカンボクはスイカズラ科である。装飾花は花を目立たせて虫を呼び、中央の両性花の受粉を助けていると考えられている。
落葉の小高木で、オオデマリより遅く5-6月に花を付ける。赤い核果は、秋には黒く熟す。山野の川沿いに多いが、庭木としてもよく用いられる。日本固有種であり、パリの植物園にも植えてあった。
学名はViburnum plicatum var. tementosumで、スイカズラ科ガマズミ属である。
装飾花が深く4,5裂したものと、浅いものとがある。
7月、ヤブデマリの実
ヤブデマリの葉、比較的細いものと丸いものがある。
樹皮