日本に固有のレンギョウは、このヤマトレンギョウとその類似種のショウドシマレンギョウである。いずれも分布が限られており、ヤマトレンギョウは岡山県の北部、阿哲郡を中心とする地方に、ショウドシマレンギョウは小豆島に生育するのみである。阿哲郡は以前に紹介したアテツマンサクでも有名で、この地域の石灰岩山地の特殊な植物相を阿哲要素という。ちょうど井倉洞の入り口付近に数株が自生しており、今年は4月10日頃に満開の花を付けたと教えていただいた。
植物園としては、大阪市立大学植物園に数株が移植され、よく花を付けている。花の付き方は、他のレンギョウに比べると少ないようである。
学名はForsythia japonicaで、モクセイ科レンギョウ属である。大阪市大理学部植物園で撮す。