京都東山の清水山付近を歩いていて、白い花を見たように思って撮ってみると、もう花弁は散って、膨らみ始めた白い子房だった。花の付き方、葉の形、木の大きさから「オオバスノキ」と同定した。スノキ属のよく見る木には、スノキ、ウスノキ、オオバスノキがあるが、オオバスノキは樹高が小さい割に葉が大きく4-9cmある(他の2つは2-4cm)。また、葉の裏が白いのもオオバスノキの特徴である。葉脚の形は、ウスノキが丸く、他の2つはやや尖る。ただ、分布はスノキが中部日本以西、オオバスノキが同以北となっているので、オオバスノキが京都で見つかるのは意外である。
オオバスノキの花は、4-5月に咲き、紅色を帯びた緑白色である。釣り鐘型で先端は浅く5裂する。丸い液果は直径8mmほどで、9月頃には黒く熟す。
学名はVaccinium smalliiで、ツツジ科スノキ属の落葉小低木である。北海道および中部地方以北に自生する。