ナギは日本では紀州、四国の南部、九州南部のみに育つ常緑の針葉樹である。針葉樹であるが、見かけは平たい葉をしており葉脈に中央線が無く、ちょうど笹の葉のように見える。ナギは凪に通じており、ナギの木は神木として植えられ、その葉はお守りとして使われ、家内安全、海上安全、縁結びにも御利益があるという。幹は所々朱色の斑があり、よくそれと分かる。雌木と雄木があり、雌木は5月に松や杉と似た花を付け、小さな丸い実となる。
新宮の熊野速玉神社のナギは日本一といわれており、国の天然記念物に指定されている。幹周り6m、樹高は20m、樹齢約1000年といわれる。大阪府豊能郡の「野間の大ケヤキ」は全国的に有名で、国の天然記念物に指定されている。幹周り11m、高さ30mを超え、樹齢も1000年以上と
言われている。
このナギには「ぼうらん」と呼ばれるランが宿り木として育っており県の記念物に指定されている。写真中央の葉である。写真にはナギの花も写っている。