最近,兵庫県の香住へ海を見にいったついでに,大乗寺(応挙寺)に立ちよりました.このお寺は,円山応挙(江戸時代の画家)が貧しく若い頃,江戸へ修行に行くための援助をしたお寺だそうです.その寺が再建される際,昔お世話になったお礼にと,応挙が弟子達を連れて京都から通い,8年かけて襖絵を描きました.それが保存状態もよく残っています.この絵も見応えがありましたが,なんとその境内に樹齢千年以上といわれる大楠がありました.喜んで写真を撮ってきましたのでお送りします.香住はとてもいいところです.皆さんも,機会がありましたら,ぜひ,どうぞ.
大楠は,山を背に高い石垣の上に立つ大乗寺の階段を上って門を入ったすぐ左手にどっしりと大きな根元を広げています。見上げると寺全体を覆うように高く豊かに茂っていました。
1997年8月9日、兵庫県城崎郡香住町の大乗寺で、今野さん撮影。
(註) 香住町の大乗寺は別名「応挙寺」と呼ばれ、志賀直哉の「暗夜行路」にも登場する古寺。
円山応挙の作品を中心に、彼の高弟たちの襖絵や屏風絵等を保管、公開している。国の重要文化財の指定を受け、さながら円山派美術館といえる。