2000年のキブシは、大阪の万博公園(日本庭園)と京都植物園で撮った。加藤さんからも、東京の小石川植物園のキブシと八丈キブシが届いた。トサミズキより長く垂れ下がって野性味があり、野山に春を告げる木の代表でもある。
以下は加藤さんによる解説です。
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キブシ・ハチジョウキブシ…3月中旬~下旬・小石川植物園
キブシはキブシ科キブシ属の落葉低木で、北海道の一部から九州まで自生しています。葉の出る前に花序を垂らし、淡黄色の花を多数付けます。小石川のものは花穂がかなり長いです。多くの方が足を止め見入っていました。
名前の由来は、タンニン分が多い果実を五倍子(ふし)の代用としたことから名付けられました。(ふし:ヌルデの若葉などにできる虫こぶ。タンニンを多く含み、染織・インク製造に用いるほか、昔は婦人のお歯黒に用いられた。ごばいし。)
ハチジョウキブシは八丈島など伊豆周辺に分布するもので、キブシの変種といわれています。小石川のものを見た限りでは、
*ハチジョウの方が個々の花が丸みを帯びている
*ハチジョウの方が咲き終わった花が脱落しやすい
という印象を受けました。
学名はStachyurus praecox でキブシ科キブシ属。Stachyurus は、stachyus(穂)+ oura(尾)で、尾状に下垂する花穂の様子から名付けられた属名です。
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(1999年3月10日の解説)
3-4月、葉の出る前に5-10cmの穂状花序を多数付ける。良く分枝した3-5mの低木で、雌雄異株である。花弁は4枚で、釣鐘状に咲いて
開ききることはない。写真のものは雄花である。伊豆の城ヶ崎海岸で撮った。京都付近ではまだ蕾が堅い。
キブシ ハチジョウキブシ