年の瀬の墓参りに出かけた。父と祖母にこの一年を感謝するためである。
墓所に植えてあるイヌツゲの木は、数年前までは元気が無かったが、
今はしっかりと大地に根をはり、枝も葉も見違えるようになった。
母が丹精して面倒を見たからであろう。
近づいてみると、いっぱいに黒い小さな実が付いている。40年近く前、この墓が出来た時に植えた小さな木は、何度も枯れそうになりながらようやくしっかりと根付いた。けなげに墓を守っているイヌツゲをいとおしく思いながら、「よく頑張ったな」と声をかけてシャッターを切った。
イヌツゲは花も地味で、5月に咲く白い花に気付く人は少ない。
学名はIlex crenataで、モチノキ科ツゲ属である。