永く分類をせずに放って置いたものを、突然思い出すことがある。哲学の道を散策して大きなイボタノキに真っ白な花が付いていたのが引き金になって、昔に農学部植物園で写したイボタノキらしき写真を思い出した。今回じっくり見てみると、ミヤマイボタであった。イボタノキと比べて、葉が比較的細く先端が尖っている。また、花の付きようも、比較的まばらである。オオバイボタとの区別も難しいが、オオバイボタの花は2重の房状で、葉が厚く光沢がある。
イボタノキと同じく、5-7月に白い花を付け、クリよりは上品でジンチョウゲよりは臭い独特の臭気を放つ。花はラッパ状で先端が4裂している。実は8mmほどの球形で、黒紫色に熟す。
学名はLigustrum tschonoskiiで、モクセイ科イボタノキ属の落葉低木である。北海道を除く日本全土に分布する。(京大農学部植物園で撮影)