立山の美女平にあるトレッキングコースの途中で、遅咲きの花を付けている楓を見つけた。コミネカエデである。イロハモミジなど大抵の楓は4-5月に花を付けるのに対して、コミネカエデの花は6-7月に咲く。懸垂した総状花序に10個以上の小さな花が集まっている。5mm程度の小さな花だが、よく見ると花弁よりも長い8個の雄しべが勢い良く出ている。
コミネカエデの葉は、普通5裂し、鋸歯の切れ込みが美しいので、すぐに覚えられる。特に、葉の先端が長く尾状に伸びることでミネカエデと区別される。ナンゴクミネカエデとの区別はやや難しいが、葉の基部の切れ込みがナンゴクミネカエデでは大きく、7裂しているように見える。また、コミネカエデの方が花弁の枚数が少なく、翼果の開き具合が大きい。
学名はAcer micranthumで、カエデ科カエデ属である。