晩秋の赤い実がよく目立つ木である。鉢植えでも育てられるが、大きいものは10mを越す木になる。一面に鈴のように赤い実が下がっている光景は印象的である。
実に比べると花の方は地味である。黄緑色で目立たないが、よく見ると雌花には可愛い濃紫色の4つの雄しべと小さな雌しべが一つ見える。雄花では雌しべが退化して花柱が見えない。雌雄異株である。
学名はEuonymus sieboldianusで、ニシキギ科ニシキギ属である。sieboldianusは、シーボルトが採取したと言う意味。
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伊豆の「高原人」さんから、マユミとフランスの木炭画の関わりについて教えていただいた。以下はお便りの一節である。
「さて先日の夜半、眠れぬままにフランス語の辞書をパラパラ拾い読みをしていると、Fusain(フュザン)檀─檀炭─木炭画と出ていました。木炭デッサンに使う独特の軽さと筆触の炭はマユミから作るつくることを始めて知りました。そう言えばフューザン会という絵画クラブ?があったような気がします。....今年の秋は赤い実を眺めながら、昔々木炭デッサンに熱中した頃を思い出す事でしょう。」
なお、木炭の材料になっているのはヨーロッパ産のもので、Euonymus europaeusであると思われる。英語名はSpindle treeである。
雌花
雄花
マユミの幹、左は若い枝