石川県石川郡吉野谷村 (白山西麓)の「御仏供(おぼけ)杉」

金沢市の野町から北陸電鉄に乗り、鶴来で降りる。鶴来から中宮温泉行きのバスに乗って釜清水で降り、東へ歩いて手取川渓谷を渡ると、加賀工芸の里に出る。この裏手に「御仏供(おぼけ)杉」がある。御仏供(おぼけ)とは、仏様にお供えするご飯のことで、杉がこの形に似ているのでこのように名付けられた。樹齢660年、樹高19m、幹周り7.6mの大木である。
杉は一般に直立するが、御仏供杉は写真で見るように、根元近くから枝が分かれ、各枝が四方に伸びて、さらに小枝が上を向いて生えたためにこのような形になったと思われる。杉も下枝を払わずに育てるとこのようになるのかも知れない。建武の中興の頃の学僧大智禅師が、修行を終えてこの地を去るに当たり、杉を逆さに植えて、「この木が根付いて繁茂すれば、仏法盛んなるべし」と言われたと伝えられる。(1330年)
釜清水の近くに「弘法池」と呼ばれるところがあり、きれいな清水がこんこんと湧いて「日本100名水」の一つに指定されている。このあたりは、昔は北陸電鉄が白山下まで延びていて便利であったが、今は電鉄代行バスが2時間に1本程度走っている。このバスは、どこででも乗り降りできる。

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