前回、伊勢神宮のオガタマノキの花と幼木の写真を送って下さった堀江さんが、同じ伊勢神宮にある「タイワンオガタマ」の花の写真を撮って下さった。国内では八重山諸島にしか自生しない木である。伊勢神宮にある理由は次の堀江さんのメールから、納得できる。
「明治42年3月29日、時の逓信大臣・後藤新平が献木した台湾の木20種、130本のうち現在も外宮の駐車場に台湾椿、ユサン、ショウナンボク等一部が残っております。(日本が台湾を領有した時、後藤新平は台湾総督府民生長官をしていた関係で台湾産の木を献木したと思われる。)「台湾オガタマ」の花は基部がクリーム色、葉が「オガタマ」よりやや細い。2本の木に沢山の花をつけておりますが、何れも高い所で咲いており、駐車場を利用される皆さんにも殆ど気づかれない状態です。」
花の写真は苦労して写していただいたようである。オガタマノキとの区別は、花の基部の色で確定することができる。オガタマノキは紅色になっているのに対して、タイワンオガタマでは黄色みがかっている。また、葉や花弁・萼片がオガタマノキと比較して幅が狭い。伊勢神宮に2本ある木の一方は、やや葉と花に幅があるが、オガタマノキよりは細く、花の基部も微黄色なので、どちらもタイワンオガタマと同定できる。
学名はMichelia compressa var. formosana Kanehiraで、モクレン科オガタマノキ属の常緑高木である。沖縄(八重山諸島)、台湾、フィリピンに分布する。var.は変種、formosanaは台湾の意。
やや太い花被片を持つタイワンオガタマの
細い花被片を持つタイワンオガタマ
中を見てみまし
2本ある木の各々の葉
樹皮
大きい方のタイワンオガタマの全体写真